kamakura

あの貞子が帰ってくる!?

彼女との出会いはもう13年も前のことになる。当時中学生だった私は、ホラーMという題名そのままなホラー漫画雑誌を愛読していた。
そういったホラー漫画の描写には慣れていたし、特に怖いと感じることもなかった。だって漫画だし。
特別ホラー好きというわけではないのだが、ホラー映画を見ることがあっても驚きだけで恐怖を感じることはなかった。
私がキャーキャーと叫ぶのを期待していた友人から、一緒に見てもつまらないと引導を渡されたくらいである。
そんな私が、爆発的ヒットを飛ばしていた恐怖映画「リング」と出会った。
正直、大したことないだろうとバカにしていた。別にいつものホラー映画とさほどかわらないだろうと。
洋物ホラーに慣れ切っていた私は、直接的なグロテスクな描写でなくじわじわとくる恐怖感を描写する和製ホラーの初体験でもあった。
物語の元凶でもある貞子はラストの方まで登場しないにも関わらず、終始圧倒的な存在感があった。
見た者を1週間後に死に至らしめる「呪いのビデオ」を見てしまった息子のために奮闘する松嶋菜々子は、ついに山村貞子にたどり着く。
井戸から這い出し、長い髪を振り乱しこちらへと近づいてくる。やがて、画面を抜け出し彼女は現実の存在となって襲う。
私はたまらず悲鳴を上げてしまった。じわじわとくる恐怖を身をもって体感したのだ。
今夜は眠れないか、と思いきや両親が言うには爆睡していたらしいとのこと。
とまあ、こんな具合だったが今でも私の中の恐怖映画ベスト3にはランクインしている作品だ。
そしてつい先日、リングの原作者である鈴木光司氏が待望の新作「S」を執筆中であることを明かした。
なんでも、「貞子がコンピューターの画面から出てきたらどうなるのか」という構想とのこと。
現代らしく、データやサービスをインターネットで遠隔利用する「クラウド」を使って呪いを拡散していくという設定らしい。
クラウドなんか使われた日には全世界にあっという間に呪いが広がるに違いない。
そうなると、「呪いのビデオ」の逃げ道である「他人に自分がダビングした呪いのビデオを見せる」という方法が取れなくなってしまう。
人類は貞子に対してどう戦っていくのか楽しみである。
ネットウイルス級の感染力で恐怖をばら撒いてくれることだと思う。
劇中に登場する山村志津子や貞子には超能力があった設定だが、私も小学生のころ、超能力があると間違われたことがあった。
神経衰弱がやたら強かっただけなのだが、ただ単に記憶力が良かっただけの事。記憶術などを勉強したわけではないのだが、なんとなく数字とカードの模様を併せて覚えるコツが身についていたのだ。
今となっては記憶力のかけらも残ってはいないが、あのまま上手いこと能力を伸ばせば面白いことになったのだろうか、と時折思ったりする。